ゲームブック
パンタクル2
1991年に東京創元社より発行されたゲームブック。メスロン・サーガとしての初版刊行順序では3作目にあたる。東京創元社版が絶版となった後、幻想迷宮書店から電子書籍化が決定されたのは初版刊行から実に25年後となる2016年。それまで、復刊、アプリ化ともにされておらず、旧版の入手も難しかったため、未読の読者も多かった。
おなじみとなった、正確にマッピングできる地下迷宮に個性あふれる登場キャラクターたち。脂の乗りきった鈴木直人の筆が濃密な物語を紡ぎだす。常に新しいものを目指した著者は「敵の思考を読む戦略的な闘い」を本作にて創出した。
作品をリリースするたびにオリジナルの進歩的要素を加えるのは鈴木直人の十八番だが、本システムはその中でもとりわけアバンギャルドなもので、「ゲームブックでこんなことが表現できるのか」と当時の読者を唸らせた。
本書は電子書籍化にあたり、若干の修正を加えたもの。
著者:鈴木直人
イラスト:虎井安夫
価格:500円
2016/12/21 配信
パンタクル1
1989年、東京創元社より発売されたゲームブック。その後、2002年に創土社からリメイク版が発売され、iアプリになったこともある。
『ドルアーガシリーズ』に登場した魔法使いメスロンを主人公としたスピンオフ作品で、その世界観は密教をモチーフとした、鈴木直人としては初のオリジナルなものとなっている。
この時すでにゲームブック作家として著名だった鈴木直人の実力を、改めて読者に知らしめた傑作。わずか500しかないパラグラフにマッピング可能でギミックの溢れた迷宮、あらゆる場面で自在に選択ができる画期的な魔法システム、そして重厚な物語と、ゲームブックに必要な数々の要素が詰め込まれている。ゲームブックの常識を覆したと言っても過言ではないそのパラグラフ処理効率は、整然としたコンピュータプログラムをも想起させる。
本書は電子書籍化にあたっていくつか改良を加えたもの。
著者:鈴木直人
イラスト:虎井安夫
価格:500円
2016/11/21 配信
バリアントナイト ――魔眼の騎士――
創土社で開催していたゲームブック・コンテストで大賞を受賞した、21世紀の鬼才ゲームブック作家、松友健による剣と魔法のファンタジー・ゲームブック。
『魔人竜生誕』、『夢幻の双刃』と複雑なストーリー分岐が持ち味だったこれまでの松友作品とは異なり、物語展開はシンプルな構造に。それでいて、読者を飽きさせないテンポの良い文章は健在。無骨で、不器用で、一本芯の通った、魅力溢れるキャラクターたちの織り成すドラマは、否応なく読者をその世界に引き込んでいく。
これまで現代を舞台にした作品を著してきた松友健の初のハイファンタジーでもある。
幻想迷宮書店のオリジナルゲームブックであり、紙バージョンは存在しない。
著者:松友健
イラスト:ヨーグルト爆弾
価格:500円
2016/11/21 配信
悪夢の幽霊都市
1986年に祥伝社から刊行されたゲームブック。鳥井架南子の“悪夢シリーズ3部作”の完結編にして、鳥井ゲームブックの集大成。
読者を飽きさせない丁寧な世界の創り込みはそのままに、ゲームブックとしてのシステム構造が、これまで比較的シンプルだった前2作から、多層構造となり、繰り返し遊べるように進化している。
怪しく、妖しく、それでいてどこかポップな、“恐ろ面白い”幽霊都市からの脱出行は今回も一筋縄ではいかない。ゲームオーバーにいたる死の罠が満載ながら、死ぬことすら楽しい鳥井ワールドを心行くまで堪能して欲しい。
本サイトで販売する電子版は、祥伝社版をベースに、パラグラフ直リンクなど、電子版固有の機能を加えたもの。
著者:鳥井架南子
イラスト:見田航介
価格:400円
2016/10/10 配信
悪夢のマンダラ郷
1986年に祥伝社から刊行されたゲームブック。『悪夢の妖怪村』に続く、鳥井架南子による和風脱出ゲーム“悪夢シリーズ3部作”の第2作にあたる。
筆者ならではの奇想天外な展開は、ゲームオーバーのパラグラフすら面白く、死亡すると分かっていてもその選択肢を選びたくなってしまう。
しかし、ゲームとしての難易度は前作よりアップしており、日常世界に無事帰るために何度もマンダラ郷をさまようことになる。もしかすると阿弥陀如来さまのことが嫌いになってしまうかもしれない。
本サイトで販売する電子版は、祥伝社版をベースに、パラグラフ直リンクなど、電子版固有の機能を加えたもの。
著者:鳥井架南子
イラスト:見田航介
価格:400円
2016/9/1 配信
悪夢の妖怪村
1985年に祥伝社から刊行されたゲームブック。著者、鳥井架南子は、本書を著す1年前に江戸川乱歩賞を受賞、ゲームブック作家としては異色となる、生粋の小説家である。その確かな描写力と軽妙な文体で、“妖怪”というゲームブックとしては珍しい題材を扱った作品を生み出した。
“脱出モノ”という現代のリアル脱出ゲームのようなシステムはゲームブックとしては、シンプルな構造ながら、怪異あふれる非日常、脱出できない閉鎖空間の恐怖など、読者にせまる臨場感は著者の筆力を十分に感じさせてくれる。
“悪夢シリーズ”として3冊が刊行され、第1作となる本書は2011年にソニックパワードからニンテンドーDSi用ゲームとしても発売され好評を博した。
本サイトで販売する電子版は、祥伝社版をベースに、パラグラフ直リンクなど、電子版固有の機能を加えたもの。
著者:鳥井架南子
イラスト:見田航介
価格:400円
2016/7/21 配信
夢幻の双刃
2009年に創土社から刊行された長編ゲームブックで、魔人竜生誕で鮮烈なデビューを飾った松友健の2つめの作品となる。
舞台は現代。個性豊かな2人の主人公を交互に操作するザッピングシステムを採用、それぞれの展開で物語は千変万化する。パラグラフ数は437とさほど多いわけではない(創土社版は435)ながら、そのボリュームは1冊のゲームブックとしてはトップクラス。
物語の展開の多様さ、くり返し遊べるお楽しみ要素など、松友テイストは健在ながら、ゲームシステムはより遊びやすく洗練されており、やり応え十分。エンディングは10通り以上。
本サイトで販売する電子版は、創土社版をベースに、パラグラフジャンプの簡易化、難易度調整など、若干の修正を加えたもの。
著者:松友 健
イラスト:笛吹 りな
価格:500円
2016/5/21 配信
魔人竜生誕
2006年に創土社から刊行された長編ゲームブック。同社で開催していたゲームノベルコンテストの大賞受賞作で、これが松友健のデビュー作となる。その後、iOSのアプリ化もされた。
ゲームブックとしては珍しい特撮ヒーローものの世界観。一対一のバトルアクションをゲームブックで完全再現。戦闘の駆け引きや、必殺の決め技など、重厚な戦闘システムは他に類を見ない。
ストーリーにもそれまでのゲームブックの常識を覆すような画期的な試みが盛り込まれている。展開の幅広さは特筆に値するほどバラエティに富んでおり、エンディングは十数個にも及ぶ。一度クリアしたあとも、2度、3度と遊ぶたびに新しい発見があり、まさに21世紀に生まれたゲームブックに相応しい快作。
本書は、電子書籍化にあたり、遊びやすくなるように大幅に改良を加えられ、さらに巻末付録として、iアプリ版魔人竜で使用されたカラーイラストギャラリーを収載。カバーイラストは創土社版カバーも手掛けた小城崇志による、入魂の描き下ろしとなっている。
著者:松友 健
カバー:小城 崇志
本文モノクロイラスト:MORBIDANCE GRAPHIX
巻末イラストギャラリー:BISAI
価格:500円
2016/4/21 配信
展覧会の絵
1987年に東京創元社より出版された異色のゲームブック。
主人公は剣と魔法を操るヒーローではなく、琴を持った「楽師」。そして、物語の舞台となるのはロシアの作曲家、ムソルグスキーによって書かれたピアノ曲「展覧会の絵」の世界そのものだ。
独特の切り口で語られる吟遊詩人の冒険は、深い慈しみに満ちている。ムソルグスキーが10枚の絵を音楽で表現したように、著者は文字で表現し、読者の判断により展開が変化するゲームブックという器に落とし込んだ。
2002年に創土社より復刊、2012年にはフェイスより、iOSデバイス用アプリとしてリリースされた(アプリは配信終了)。
著者:森山 安雄
イラスト:みつきやよい
価格:400円
2016/3/11 配信
魔界の滅亡【ドルアーガの塔 第3巻】
1986年、東京創元社から発売されたコンピュータゲーム『ドルアーガの塔』原作のゲームブック3部作の完結編。
冒険のクライマックスとなる、41階から60階までが記されている本書は、シリーズ最長の内容で、その項目数も790と大きく増加している。塔内部の迷宮ギミックもパワーアップしており、熟練の冒険者たちを悩ませるトラップが、塔全体にはりめぐらされている。
第2巻で登場したオリジナルキャラ、魔道士メスロンや盗賊王タウルスも心強い味方として、もちろん健在だ。東京創元社版は第1巻から第3巻までで実に1700超のパラグラフとなる大長編がすべて1986年に刊行されている。
2013年、創土社より復刊され、大幅に追加要素が盛り込まれた。本サイトで販売する電子版は創土社版をベースに、さらに若干の修正を施したもの。
著者:鈴木 直人
本文イラスト:虎井 安夫
価格:500円
2016/3/1 配信