ゲームブック, 近刊情報

顔のない村

1990年、社会思想社の教養文庫より刊行された『送り雛は瑠璃色の』に収載された短編で、当時のボリュームは200パラグラフであった。表題作ではないのに、巻頭に収載されており、『送り雛……』と両方読了することで両作品の関係性が見えてくるため、合わせて読んでおきたい

本作は当時ポピュラーだったファイティングファンタジーの基本ルールが採用されており、『送り雛……』と比べると幾分、敷居が低い作品となっている。

とはいっても、主人公の素性や目的など、状況の説明は冒頭から一切ない。『送り雛……』にも通じるが、思緒雄二はルールなどで物語を語ることを極力避ける。“可能な限り、文章描写から感じ取ることで、物語の世界に没頭して欲しい”これが彼の作家としてのポリシーなのだ。

書籍として単体での刊行は本作が初めてだが、2013年にiOSアプリとして配信され、そちらは約100パラグラフほど加筆されている。今回の電子書籍版は加筆増補版をベースに微修正を加えたもの。

著者:思緒 雄二
カバーイラスト:マキムラ シュンスケ
本文イラスト:高橋 政輝
価格:100円
2020/4/21 配信

2020-04-21 | Posted in ゲームブック, 近刊情報Comments Closed