小説

ゼンダ城の虜

イギリスの作家、アンソニー・ホープによる小説。好漢ラッセンディルの波乱万丈の三カ月を描く冒険絵巻。

原作が出版されたのは1894年。だが、古さを感じさせない王道感。“少数精鋭で難攻不落の城に挑む”、“お姫さまとの道ならぬ恋”、数々の胸躍る設定はその後、多くの冒険小説に定番として受け継がれていく。冒険小説が好きなら必ず読んでおきたい一冊。

魅力的なキャラクターたちの織り成す味のある会話シーン、ユーモア溢れる章タイトルなど、作品全体から漂う作者の圧倒的なセンスは凄まじい引力で読者を物語に引き込む。

これまで書籍化の他に、映画化、舞台化などもされており、最近の日本では2008年にNHK-FM放送でラジオドラマとなっている。書籍としては1970年の東京創元社刊他、幾度か翻訳されているが、電子書籍となるのは本書が初となる。

著者:アンソニー・ホープ
訳:枯葉
価格:800円
2017/6/21 配信

2017-06-21 | Posted in 小説Comments Closed